食品の商品開発では、原料や価格、パッケージ、販路など、考えることがたくさんあります。
でも、最終的に「また食べたい」「人にすすめたい」と思ってもらえるかどうかを左右するのは、やはり味です。
そして味づくりは、単に「濃い・薄い」を調整することではありません。
素材の香り、口に入れた瞬間の印象、うまみの重なり、食べ終えた後の余韻まで含めて考えていく。私はそれを「味の設計」だと捉えています。
商品開発では「おいしい」だけでは足りない
食品の商品開発でよく聞くのが、
「素材がいいから、おいしい商品になるはず」
という考え方です。
もちろん、良い素材を使うことは大切です。
けれど、素材そのものがおいしいことと、商品として完成したときに「選ばれる味」になっていることは、必ずしも同じではありません。
たとえば地域の農産物や海産物には、それぞれ強い個性があります。
その特徴を生かすためには、何を足すのかだけではなく、何を足さないのか、どの味を前に出して、どの味を後ろに置くのかまで考える必要があります。
商品開発では、素材の魅力を消さずに、食べる人に伝わる味へ整えていくことが重要です。
だしを知ると、素材同士の関係が見えてくる
私は長く「だし」の世界に関わってきました。
だしを扱っていると、一つの素材だけではなく、素材同士の関係を見るようになります。
昆布とかつお節。
昆布としいたけ。
野菜とだし。
それぞれ単体でも味がありますが、組み合わせることで、うまみの感じ方や香りの立ち方が変わります。
これは食品の商品開発でも同じです。
主役となる素材を決めたあと、その魅力を引き立てる素材は何か。逆に、せっかくの特徴を邪魔してしまうものは何か。
足し算だけではなく、引き算も含めて考えることが、味づくりには必要です。
味は「最初・途中・余韻」で考える
味を考えるとき、私は一口の中にも流れがあると考えています。
最初に感じる香りや印象。
口の中で広がる味とうまみ。
そして、飲み込んだあとに残る余韻。
この流れが自然につながると、食べた人は「なんとなくおいしい」ではなく、「もう一度食べたい」と感じやすくなります。
反対に、最初の印象は良くても後味が重かったり、素材の香りより調味料の味ばかりが残ったりすると、商品の魅力が伝わりにくくなります。
味づくりでは、一口全体のストーリーを見ることが大切です。
地域の食材を「商品として選ばれる味」にする
地域には、まだ十分に価値を伝えきれていない食材がたくさんあります。
ただ、その素材を使っただけでは、商品としての魅力が伝わるとは限りません。
誰に食べてもらいたいのか。
どんな場面で食べてもらいたいのか。
どんな価格で販売するのか。
そして、その商品を食べた人にどんな印象を残したいのか。
こうしたことまで考えながら味を設計すると、地域の素材は「おいしい食材」から「選ばれる商品」へ変わっていきます。
私は、だしの知識とこれまでの商品開発の経験を生かしながら、素材の個性を見つけ、その魅力がきちんと伝わる味をつくることを大切にしています。
味づくりからブランドづくりへ
商品開発では、味だけを切り離して考えることはできません。
味、パッケージ、ネーミング、価格、販売する場所。
それらが一つの方向を向いたとき、その商品らしいブランドが生まれます。
だから私は、味づくりを商品の「中身」だけの話だとは考えていません。
味を入口に、その商品の魅力や立ち位置まで整理していく。
地域の食材や企業が持つ強みを見つけ、それを「選ばれる理由」へ変えていくこと。
それが、これからの商品開発に必要な視点だと思っています。
これを貼って、左のリストビューで見出しが H4 になっていれば成功。
タイトルは触らなくていいよ。

vidIQ
